国産迎撃ドローン「Terra B1」量産へ、ウクライナ技術を採用

ウクライナのドローンを採用

日本がドローンで国を守るのに適する理由は、「島嶼防衛・南西諸島の地理的特性」にあります。南西諸島は九州から台湾近傍まで約1,200kmにわたり点在し、各島嶼への戦力集中が困難。有人戦力を島ごとに厚く貼り付けるのは非効率で、安価・大量の無人アセットによる分散配置と多層防空が適しており、ドローンの戦略的強化は最優先事項のうちの一つです。自衛隊の人員不足も進んでおり、人的資源を節約しつつ防衛を強化できるドローンにはメリットが沢山あります。

ドローンの強みは、その圧倒的な「コスト非対称性」にあります。(シャヘド1機2〜5万ドル vs 迎撃ミサイル1発約400万ドル=約1:80〜1:300)と実戦実績(ウクライナ戦の死傷者の70〜80%がドローン起因)から国防上きわめて有効。ロシアが多用するイラン設計のシャヘド136(Geran-2)の製造原価は約2〜5万ドル(whiteorder.net集計)で、これを従来型の迎撃で対処するとパトリオットは1発約400万ドル(Bloomberg)と、コスト比は概ね1:80〜1:300に達し、リソースの限られた立場の国が防衛に用いるのは優先度が高い。

こうした重要なドローンですが、日本の産業用ドローン市場は中国製が9割超、国産シェアは約3%、とかなり危うい状況です(2025年4月時点)。DJIは年間数百万機を製造するのに対し、日本各社合計でも年1,000機足らずと量産力に致命的な差。軍事ドローンのTier2/3部品も中国依存。この「量産力の欠如」こそ日本の防衛ドローンの最大の弱点であり、Terra Droneがウクライナ実戦企業を子会社化して開発速度と量産ノウハウを取り込む戦略は、この構造課題への現実的な回答、と想像されます。

※Terra Droneについてですが、Drone Industry Insightsの「ドローンサービス企業 世界ランキング」で2019年以降連続トップ2、2024年に世界1位を獲得。防衛事業は2026年3月に本格参入。ウクライナのAmazing DronesとWinnyLabに相次いで戦略出資し、2026年6月15日に両社を連結子会社化。